講演要旨

「グローバルな不安の時代の「安心・安全」
       :伝統と生活文化からの視点」
  東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授・床呂郁哉


 現代はグローバルな不安やリスクの時代として特徴づけられる。 環境問題やテロ,世界金融危機などをはじめ各種のリスクが国境を越えて地球規模で影響を及ぼすような事態が稀ではない。 また従来そうしたリスクに対して人々の安心や安全を保障してくれるはずの国家などの制度も必ずしも十分に機能しているとは 言い難い状況も認められる。こうした状況の中で自分たちの安心・安全を見直す契機を各地の伝統や生活文化に即した事例をヒントに考えてみたい。


「安全・安心の経済学」
     一橋大学経済研究所教授・青木玲子


  本当に消費者を守ってくれる法律とは何か?新しい法律や社会のルールを作った場合,人々が新ルールに対応して行動を変えるので, 当初は予想しなかった結果になることがよくある。例えば,特許のルールの設定によっては企業が利用を避けるようになり, イノベーションに悪影響を与える可能性が知られている。 目的を実際に達成するためには,人々や企業の反応を考慮してルールを作らなければならないのである。経済学の考え方を使ったアプローチを紹介する。


「ペプチドとくすり」
     東京医科歯科大学生体材料工学研究所教授・玉村 啓和


  ペプチドはアミノ酸が列なってできた化合物で,蛋白質よりも小さい。 このペプチドは体の中でホルモンとして重要な生命活動に関わっており,また,最近では日常生活の中でもテレビのCMや広告でこの 「ペプチド」を耳にすることも多くなり,さらに薬としても開発されている。 血糖値を下げる作用を持つインスリンや,カルシウム濃度を調節するカルシトニンもペプチドであり, ペプチドとくすりの関係について述べたいと考えている。


「ハードウェアに基づく安全と安心(圧縮性流体の計測制御)」
     東京工業大学精密工学研究所教授・香川利春


 システムの安全と安心は環境やエネルギー問題に並び,重要課題とされる。 近年,二酸化炭素排出量の総量規制が政府施策に盛り込まれるなど新たな動きが注目される。 その中で,水素やLNGなどのガスは環境に優しくクリーンなエネルギーとして注目されている。そこで, ガス栓を捻るとどんな仕組みで一定の圧力に制御されるのか,可燃性ガスに万一引火した場合に如何に安全と安心が 担保されるかについて分かりやすく解説を行う。



 
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